ソニーのウォークマンによる難聴が社会問題になったことがあります。今も、ライブやコンサートによる難聴、ヘッドホン難聴、インカム難聴などがあり。これらは、急性音響性難聴と呼ばれています。慢性の音響性難聴は騒音性難聴とも呼ばれます。
●急性音響性難聴って何?
定義 |
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強力な音波によって内耳の蝸牛が障害を受け難聴などが生じる聴覚機構の損傷を受けることです。原因となって起こった音の聴取の可否に関する閾値の上昇(聴力の低下)が、たとえ一部の周波数であっても、正常聴力と比べて21dB以上上昇したまま回復しない状態のことを言います。 |
狭義の音響性外傷 |
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瞬間的あるいは極めて短い時間、瞬間的に聴覚が障害される。爆発音、銃器
爆竹、エアーバッグなどが原因で130dB以上の音による 。 |
広義の音響性外傷 |
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100〜120dB程度の数分〜数時間程度の強大音暴露による。
ライブ難聴、コンサート難聴、ヘッドホン難聴、インカム難聴などです。 |
臨床的特徴 |
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若い層に多い。
耳栓やイヤーマフなどの防音保護具により音を減弱させることが予防につながります。
聴力検査表(オージオグラム)で、4000Hz近くだけV字型に聴力が低下する4000Hzdipの特徴があります 。 |
音の生体への影響 |
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(日本耳鼻咽喉科学会産業 環境保健委員会作成) |
騒音レベル |
生体への影響 |
30〜50dB |
心理的影響 |
65〜85dB |
心理的影響
生理機能に及ぼす影響 |
85〜120dB |
心理的影響
生理機能に及ぼす影響
内耳障害 |
120〜 |
高度内耳障害 |
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●病院での治療
有効な治療方法は確立されていないとされています。軽度の障害は投薬治療により軽快することがあるとされています。軽度の障害に対してはステロイドの効果があったが、音響障害が大きい場合は効果がなかったという報告もあります。(慢性の騒音性難聴の治療効果は確かめられていないとされています。)
●急性音響性外傷の鍼灸治療
早期に鍼灸治療を開始することにより回復する例も多いです。治療法は突発性難聴の鍼灸治療に準じます。健常化例は28例です。(令和1年10月末)
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