●どんな病気?
難聴の方であっても、主訴(一番つらい症状)はほとんどが、耳鳴りや、耳閉感、音割れ 響き、自声強聴、めまいなど難聴以外の症状です。突発性難聴等の後遺症とは、これらの症状が、難聴回復後に残り不快を感じる状態のことを言います。病院では、聴力が回復することをもって完治とされますが、患者さんにとっては、辛い症状が解消することをもって完治とされますので、難聴が完治しても、辛い症状が消えなければ完治とは思えないと言われます。病院では、「慣れてください。気にしないでください」とか言われ、十分な対応がなされない場合が多く、患者さんの不安が、難聴の方以上に深刻である場合があります。病院では治ったと言われ、自分の症状の辛さを理解してもらえないため、不安が強まるようです。
●病院の治療は?
聴力回復をもって完治とされますので、「治りました。耳鳴り等は慣れてください、気にしないでください。」と言われ、薬の処方もない場合があります。更に治療を求めると心療内科や精神科を勧められる場合があります。病院では、難聴の回復を目的に薬やホルモン剤が処方されますが、耳鳴り、耳閉感、音割れ、自声強聴の為の薬は「ストミンA」が中心となるようですが、ほとんど処方されていません。(効き目が良くないから処方されないとの説もあります。)病院によっては、精神安定剤、睡眠導入剤、抗不安剤などが処方される場合があります。
●鍼灸の適応は?
難聴の後遺所の症状は機能的なものですので、鍼灸治療の適応となります。当院では、難聴の健常化(完治のこと)の後は、後療法を3週間に4回だけしますが、この後療法の間に、後遺症の各症状がほとんど消えています。病院の治療の後残った症状や、鍼灸治療の後療法の後残った症状にたいして、難聴の治療とは別の治療法で対応します。主に、自律神経を調整しながら、全身の調整をします。治療法は短期集中治療と長期分散治療があります。短期集中治療は、1クール(10回)を目標になるべく集中して治療をします。短期で回復しない場合は、1週間に1回程度の治療間隔で長期間治療をします。合わせて、「耳鳴り記録」を毎日つけ、耳鳴りの悪化要因をさぐり、その悪化要因の解消の生活の改善を図っていただきます。同時にアクアウオーキング療法も行います。悪化要因は睡眠不足とか大きい音の被ばくとか、気圧差、お酒の飲みすぎ、辛い物の食べ過ぎ等あり、人により影響度が違います。18年11月末時点での健常化例は、後遺症の耳鳴りが、107例、後遺症の音割れ、響き、耳閉感、めまいが140例です。
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