●どんな病気?
以前は「特発性両側性感音難聴」と呼ばれてきました。若年(40歳未満)で発症する両側性感音難聴のことです。特発性とは原因不明という意味です。文字通り原因不明の若年で発症する両側性の難聴です。近年、遺伝子の関連が注目されていますが、発生機序に関して必ずしも明らかになっていないとされています。両耳とも進行するので加齢性難聴と区別がつきにくく、わかりやすく「若年」という言葉を入れたようです。この病名で鍼灸院に来られることは稀ですが、よく似たケースはあります。ほとんどが、突発性難聴、メニエール病、遅発性内リンパ水腫等の診断がついているようです。なかには若くても加齢性難聴と診断されることもあるようです。
●病院の対応
原因が不明なので有効な治療法が確立されていません。
聴力に応じて、補聴器や人工内耳による補聴が対症的に行われています。
急激に進行した場合は、突発性難聴の治療に準じた治療が行われます。ステロイド、血管拡張剤、代謝賦活剤、ビタミン剤など
●鍼灸は適応?
加齢性難聴と同じ経過を取りますので、対応も、加齢性難聴と同じ治療法で行います。 早期、軽度の場合は回復が望まれることもあると思います。進行した場合は、進行防止の治療法に変えて対処します。発症が20代とお若く両耳とも難聴が進行してきている方で、発症後20年経過し、補聴器も使えなくなってきて鍼灸治療を1年4カ月継続し、ほとんど両耳とも回復し補聴器が不要になった方もあられます。(病名はメニエール病でした。)
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